アウトドアジュニアの100V電装系統更新(計画編)

漂流工房での作業実績シリーズです。

 

渋腸号

渋腸号

アウトドアジュニアのオーナー、渋腸様のご依頼で100V系統の設備の新規更新です。

もともとアウトドアジュニアにはホンダ製のインバーター発電機「EU28is」という2800Wの大出力発電機が搭載されていて、この発電機のお陰で電化住宅いや、電化キャンピングカーとして自立運用できるようになっています。

 

この点はアウトドアジュニアのアウトドアジュニアたる部分で非常に先進的な設計となっています。

しかしながら車体が9年目となることもあり、これからも長く安心して乗るために100V系統の設備更新を行いました。

それと、残念ながらキャンピングカービルダー全般に言えることなのですが、電気設備に対しての基礎知識が乏しく私のような第1種電気工事士の視点から見ると「ここは要改善!ほっとくと危険!」というポイントが見えてきます。

 

要改善ポイント

(1)発電機から入力切り替えスイッチまでの配線が細い。

2.0Sqキャプタイヤケーブルが使用されているためものすごくいい条件であっても最大27Aまでしか電流を流せない。実際はもっと条件が悪く、車のエンジンなどの排熱や、保護配管による放熱しにくさも関係するため実際に流せる電流は20A程度まででそれ以上になると電線の発熱による劣化、最悪の場合火災の原因になる可能性はあるため要改善。

発電機自体は28Aまでの能力があるため、発電機の能力ギリギリまで電気を使うと幹線であるケーブルの許容電流を超えています。

 

(2)発電機のプラグが普通の2Pプラグが使われている。

普通の2Pプラグ(家庭で一般的なコンセントプラグ)は許容電流が15Aなのでここに発電機の28Aを流すということは15Aを超える使い方をしています。

許容電流というのはメーカーが「ここまでなら電流を流しても大丈夫に作ってますよ」という意味です。

逆に言うと、「許容電流を超えて使うことは禁止で、それにより何か事故が起きてもメーカーは知りませんよ」という意味でもあります。

 

(3)感電防止のための漏電ブレーカーがない。

一般家庭では漏電事故による感電や火災を防止するために漏電ブレーカーが普及しているのですが、キャンカーには取り付けられていません。

(少なくとも私は漏電ブレーカのあるキャンカーを見たことが無いです。)

安全のための投資の面もありますが是非必要。

 

オーナーの渋腸様との協議した結果、決まったメニューは

(1)発電機から外部入力切り替えスイッチまでの配線を能力に余裕のある5.5sqのケーブルに入れ替え。

(2)発電機のプラグも30Aに対応するアース付き抜け止めプラグへ変更。

(3)感電事故と、漏電火災防止のために15A、30Aの漏電ブレーカーをそれぞれの系統に増設。

(4)外部入力から切り替えスイッチまでの配線を3.5sqに変更。

(5)配線系統の負担を減らすため電子レンジの回路を単独コンセントに変更。

と、盛りだくさんのメニューです。(笑)

打ち合わせのあと、材料の手配をしたので材料の到着待ちです。

 

ちなみにジュニアオーナーの方で、自分で加工をされる方のために「EU28is」に適合する30Aプラグの規格はこれです。

パナソニック電工製 WF8330

 

 

明工社製 MH2578

アフィリエイト貼ってますが、説明が面倒なんで貼ってるだけです。(笑)

この型番のものが手に入ればホンダ発電機EU28isに適合します。

ヤマハインバーター発電機 EF2800iSEも同じプラグで適合します。

漂流工房ではパナソニックのほうが全長がほんの少し(約6mm)短いのでスペースの関係でパナソニックを使っています。参考にしてくださいね。

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